反社会的勢力排除条項とは?

暴力団排除条例ともよばれています。これは取引先において、反社会的勢力ということが分かった時点で、即座に関係を遮断するための条項です。地方自治体で定められており、全都道府県で現在は施行されています。基本的には2つの指針があり、「反社会的勢力に対する利益供与の禁止」と「何らかの契約を行う際は反社会的勢力ではないとの確認を行う(暴排条項規定)」に特徴があります。2つ目の暴排条項規定は、契約の相手方が暴力団や暴力団関係者、反社会的勢力と分かった時点で、無催告で即座に契約解除できる規定になります。

政府指針とは?

日本政府においては、企業が反社会的勢力による被害を防止する為の指針が(https://www.mlit.go.jp/common/000990050.pdf)取りまとめられており、この指針に沿う形で企業活動から暴力団排除の取り組み(https://www.mlit.go.jp/common/000990054.pdf)について詳しくまとめられております。
要点をまとめると、「企業組織としての対応」「外部専門機関の活用」「関係遮断」「裏取引や取引自体の禁止」が掲げられております。反社会的勢力からの通常の経済活動ではない不当要求を一般社会に受け入れてしまうことがないように、厳しい対応を強くするよう推奨され、一部では義務付けております。

反社チェックや反社会的勢力の排除を行わないリスク

業種や業態にもよりますが、例えば反社会的勢力と関係する企業は、国や地方自治体が行う競争入札や随意契約などからは排除されてしまいます。また、物品の売り買い、物件の借入れや委託契約など、さまざま制限が掛かります。
銀行取引においても、銀行口座の開設を制限されるので、共生者(反社会的勢力と関係する企業)と一旦人展されてしまうと、銀行口座を使った企業経営が非常に難しくなってしまいます。
上場企業やブランディングを行っている中小企業でおいては、役員の反社会的勢力とつながりが一度表に出てしまうと大きく取り上げられ、上場廃止や金融の融資をストップされてしまう可能性等があります。コンプライアンス対策は努力義務ではなく、企業を経営する上では必須事項となっています。

反社会的勢力の資金源

通常想定されるシノギとしては、みかじめ料(用心棒代、ショバ代)や闇金、露天商など多岐に渡って存在します。しかしながら、見える資金とは別で、見えない資金源というものがあります。それがいわゆる不動産オーナーとの結託などで、風俗店や案内所などの事務所の家賃などで回収されていたりします。また、ヤクと呼ばれる麻薬や覚醒剤などの密売や窃盗、特殊詐欺なども存在します。最近の資金源であれば、ビットコインの密売や取引所外取引(OCT)などが有名です。

飲食店や夜の街での事例

例えば、風俗店や接待を伴う飲食店(キャバクラやガールズバー)などのおしぼりも、ショバ代の一環として半ば強制的に契約されている場合があります。会員制や定期的な収入として、毎月安定して入ってくるショバ代は、反社会的勢力の重要な収入となっています。お酒の卸業やおつまみなど、フロント企業として迂回している案件が非常に多くみられます。

具体的な排除の方法

まずは反社チェックを行うことが重要です。データベース型の検索事業者などであれば、検索したい対象の事業者名や個人名を入力するだけで、すぐにスクリーニングが可能です。また特定の業者と契約を結ぶ場合は、必ず反社会的勢力排除条項を入れることにより、即座に解除が可能になります。契約解除により脅しなどがある場合は、迷わずに最寄りの警察に相談するように致しましょう。やはり、何よりも先に、反社会的勢力と関わらないようにするためには、まずは取引先や顧客の確認など、平素からの対応が重要になります。